かるーく巡る戦国時代と武将( ・`ー・´)

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指摘はNG? 戦国武将達の上司に対する考え方

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働くうえで避けては通れない上下関係の問題。

今回は戦国武将達の上司に対する考え方について、ご紹介させて頂きたいと思います。

 

 

 豊臣秀吉

主人は無理をいうなるものと知れ。

 

卓越した頭脳とコミュニケーション能力を駆使して成果を挙げ主君織田信長から絶大な信頼を得て農民(豪農足軽の息子という説も)の身でありながら56万石の領地と中国地方方面軍司令官という地位を与えられ異例の出世を遂げた豊臣秀吉

 

人材登用に積極的で身分に拘らなかった信長に仕えた事が秀吉にとって大きな助けになったわけですが、信長は身分に拘らなかったものの能力第一主義者で部下に対する要求は非常に厳しいものでした。

 

信長の要求に応えきれなかった武将は、どんな立場や功績があろうともその立場を追われています。

織田家筆頭家老で近畿方面軍総司令官あった佐久間信盛は事実上の解雇通知である折檻状を突き付けられ改易。

同じく筆頭家老であった林秀貞も24年も過去の謀反を理由に改易されています。

荒木村重明智光秀等の有力武将達が織田家に謀反を起こしたのは、常に活躍し続けなければ立場を追われるという厳しいプレッシャーに耐えられなかったという説も。

そんな中で後ろ盾がないにも関わらず、己の才覚のみでその要求をこなし続けてきた秀吉の能力とタフさがいかに卓越したものだったか窺えます。

 

後に天下人となった秀吉自身も身分に囚われず人材登用に積極で石田三成小西行長などの優秀な武将を登用していますが信長同様な能力第一主義者的なところがあり、特に結果を残していない二世武将に対する扱いは厳しいものでした。

奉公人として織田家に入り普請奉行・台所奉行などの雑務を率先して引き受け、十年近く働いた末に有力武将の一人としてようやく初めて書状に名前が出てきた秀吉からすれば当然の処置だったのかも知れません。

shisengoku.hatenablog.com

 

『 主人は無理をいうなるものと知れ』

使う側としても使われる側としても豊臣秀吉の働き方に対する考えが垣間見える一文ですね。

 

黒田官兵衛

上司に指摘してはならない

 

天下に名立たる軍師、黒田官兵衛

五大老筆頭の徳川家康や諸将からの信頼が厚かった前田利家を差し置いて、自身から天下を奪えるのは官兵衛であると主君である秀吉から評価されていたにも関わらず官兵衛はその話を聞いた後にすぐ隠居し家督を嫡男の長政に譲渡してしまいました。

隠居した理由は、自身が警戒されている事を察知しての行動だったといわれています。

 

以前、主君であった小寺政職織田家を離れ毛利家に鞍替えしようとしている事に気づき説得に向ったものの逆に捕えられてまい一年以上もの間牢獄での生活を送る等の苦い経験をしていた官兵衛。

過去の経験も含め遺訓にて「人に媚びず、富貴を望まず」と残している気高い自身の性格や才があまり上司から警戒を生む事を自覚していたのかもしれません。

 

以降の官兵衛は主君に対しあまり讒言する事はありませんでしたが、朝鮮出兵の際は秀吉の計画に反対し対立しています。

死罪を覚悟して長政らに遺書を残している事から、官兵衛にとって上司に指摘するというのはそれ位の重大事だったんでしょうね。(当時の天下人秀吉と対立するのは誰でも覚悟は必要なのかもしれませんが…)

 

↓そんな秀吉に面と向かって啖呵をきった浅野長政の逸話はこちらから

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藤堂高虎

数年、昼夜奉公しても気のつかない主人であれば、代々仕えた君主であっても暇を取るべし。うつらうつらと暮らすのは意味がない。

 

数年の間、昼夜問わずに懸命に働いても気が付かれなければ代々仕えた君主であっても職を離れるべき。ただぼんやりと暮らしていても意味が無い。という意味。


武人としても政治家としても有能、後に32万石津藩の祖となった藤堂高虎

小領主から没落し農民になっていた藤堂家に生まれた高虎は仕官先に恵まれず転々としていた流浪生活をしている間に餅屋で無銭飲食をしてという話も残っている程、若い頃は困窮した日々を送っていました。

 転機が訪れたのは秀吉の弟である豊臣秀長に仕えた頃。合戦にて功を挙げた高虎は秀長に見出され、鉄砲大将や普請奉行等の様々な役割を任されるようになり後に2万石の大名に出世。

その仕事ぶりは秀長を飛び越えて秀吉が賞賛するほどで、後に秀長が亡くなり僧籍に入った高虎の才を惜しんでいた秀吉は7万石の大名にする事を条件に説得し還俗させています。

 

どんなに良い仕事をしたとしてもそれに気づいてもらわなければ評価はされない。

上司が自分の事をどう思っているのか。どう評価してくれているのか。秀長との出会いで劇的に人生が変わった高虎だからこそ重みのある言葉ですね。